
寒い日が続き外出が億劫になるが、ボート釣り練習中の身としては休んでる訳にはいかないのだ。
そんなわけで葉山新港に向かう。途中ガソリンスタンドで携行缶に給油、釣具店でコマセとイソメを購入する。
葉山新港にていつものように準備してスロープから出航。まずオールで漕ぎ出し、少し岸から離れてからエンジン始動。

ここまでは慣れたもの。ほんの少しだけ上達したと思える。
今回は名島周辺ではなく、逗子マリーナ沖合のポイントを試してみる。魚探によると、小さな岩礁があるようなのだ。
釣れるかどうかわからないが、やってみないと永遠にわからない。
と言うわけで逗子マリーナ方面へ舵を切る。
だが今回の釣行では自分の経験不足を痛感することになる。
逗子マリーナ沖の予定ポイントに到着するが、魚探にはそれらしい起伏が見られない。等深線によるともう岩礁があるはずなのに。
マイ魚探、ホンデックスPS-611CNの等深線は結構アバウトなのかもしれない。
ポイントを行ったり来たりしてそれらしい起伏を発見したが、思ったよりかなり小さく低い岩礁であるようだ。
少々落胆。気分は違うポイントへ行きたくなっていたが、意を決してアンカリングを試みる。
岩礁の上を往復してアンカー投入ポイントを探るが、これが難しい。
風下から風上へゆっくり前進、ようやく投入。水深の倍くらいロープを伸ばし、走錨しないことを確認。
しかし思っていたポイントではなく、起伏は無さそうで、魚もいない。
アンカリングをやり直そうか迷ったが、既に出航から30分以上経過している。面倒くさいという気持ちもあり、このまま続行することにした。
コマセを解凍しようと網袋を探すが見当たらない。忘れて来たらしい。冷凍のアミエビやオキアミを網袋に入れて海にぶら下げておくと効率良く解凍出来るのだ。

仕方ないのでバケツに海水を汲んでアミエビを浸す。でもなかなか融けないな。
仕掛けを準備しつつ融けるのを待つ。すっかり準備出来た頃、表面が融けたアミエビをスプーンで削るようにしてビシに詰める。
やれやれ。やっと釣りが出来る。アジ仕掛けにアオイソメを付けて投入。
投入してすぐに魚探に反応が出る。魚が寄ってきたみたいだ。
ほどなく竿先にブルブルしたアタリ。
上がったのはベラ。アカササノハベラかな。

続いてアタリがあったがまたもアカササノハベラ。

しばし後に今までより強いアタリ。良型カワハギか?
ワクワクしながら上げると良型アイゴ。ガックリ。ヒレに注意しながら針を外す。

その後はアタリがなく、餌だけが取られるようになった。
こういうときの餌取りはアレだろうか?
という時にアタリ。上がったのはやはりフグ。

続いてアタリがあり、またもフグ。

フグが集まって来たのだろうか?ポイントを変えるべきかも知れない。
移動のためアンカーを上げようとしたら上がらない。根掛かりしたようだ。
こういうときはアンカーを逆方向から引っ張れば抜けるようにしてある。
まずはロープを手繰り寄せボートの金具に固定して…エンジン始動でそのまま前進させれば外れるはず。
だが外れない。アンカーロープを軸にボートが回転してしまう。
何度か試したが外れず、あまり出力を出すとボートが振られて危険を感じる。
アンカーは諦めるしか無さそうだ。
今アンカーを失うと残りの時間が釣りにならない。場所を移動せずその場で釣りを続けることにした。
餌は取られるが針掛かりしない。
ベラすら掛からず時間が過ぎる。
黙々と続けて、なんとなくコマセを使いきるのが目標になってきた。
時折フグに仕掛けを切られて仕掛けも満身創痍。
上がり予定時間になったがコマセを使いきろうと少しオーバーした。
いい加減帰らないと片付け中に暗くなるので敢えなく終了。
今回持ち帰る獲物は無しだ。
再度アンカー根掛かりを外そうと試みるが外れない。もう時間も無いのでやむ無くアンカーロープをカットした。
船外機を始動して港に向かおうとしたときに異常を感じた。回転が上がらず、振動が大きい。
さっきまで快調だったのになぜ?
おかしすぎる。

港に向かう間に段々速度が落ちていく。止まるんじゃないかと不安なってくる。
風も弱いし南風だ。最悪オールでも帰れるはず。帰ったら船外機を見てもらう必要があるかな。まだ買って2ヶ月なのに…

そんな不安に襲われつつ、歩くような速度で葉山新港に到着。あー良かった。

スロープからボートを上げようとして、船外機のスクリューに何か白いものが付いているのに気付いた。
あっ これは!
エンジン不調の原因はカットしたロープ。ロープの一部がスクリューに巻き付いていたのだった。
……暫し茫然とした。

船外機始動で異常は感じなかったが、掛かりが悪かった。その時にもうロープが絡んでいたのかも知れない。
アンカーロープをカットした場合、すぐに船外機を始動してはいけないとわかった。
こんなことで船外機に大きな負担をかけてしまった。ヨロヨロとスロープからボートを上げて片付けに入る。
反省点の多い釣行となった。
必要な道具を忘れた。
アンカリングが下手くそだった。
アンカー回収も下手くそだった。
船外機の異常がなぜか分からず船外機に負担を掛けた。
沖上がりのタイミングも遅かったのではないか。
ボートを洗いながら色々と振り返る。
まだまだ未熟なのだと教わった。
遊漁船で釣るのとはワケが違う。ボートはわからないことだらけ。
難しくて奥が深い。
隣で片付けしているベテランとおぼしき方に話しかけ、アンカーを失った話をした。その方も両手では足りないほど失ったそうで、今は自作のアンカーを使っていた。
ペットボトルに鉄筋を差し込み、足を広げるようにして、ペットボトルにセメントを流し込んだ5キロのアンカー。根掛かりしても強く引っ張れば鉄筋が伸びて大抵外れるそうな。

『いちいち買ってたら財布がもたないよ!』と笑いながらおっしゃる。
若干意気消沈していたが、少し元気を頂いた。ボート釣り師は皆、試行錯誤と創意工夫で自分なりのスタイルを確立しているのだ。

今回の反省を活かして、早く練達しようと気持ちを新たに家路につくのだった。
