朝の陽光を受け漕ぎ出す

2019年9月某日
普段はもっぱら釣り船だが、近郊の船宿で出している釣りものはマグロ等の超大物や金目鯛等の深場を除いて概ねやってみた。そろそろ別のターゲットを見つけたいなんてボンヤリ考える。
そんな私が最近惹かれるのがカヤックフィッシングだ。自分で出すか否か判断、ポイントを探し、やめるタイミングも自分で決める。釣れるかどうかは運次第・・うん、いいじゃないか。
そんな訳で台風が過ぎた某日、まずは挑戦しようと東京湾に向かった。
6:30に出挺、沖合い300m付近だろうか、水深30mのポイントにタイラバを下ろしてみる。
う~む、釣れない。
風に流されつつ30分ほど続けるがアタリは無い。メタルジグに替えて更に続ける…が、やはり反応は無かった。
風向きを考えて観音崎灯台の近くから流してみる。タイラバを投入してみると水深は10m程だ。
思いのほか浅いが反応はあるか?底から5mの範囲を繰り返し探っていると…❗️何か反応が。
残念ながら針掛かりしなかった。しかし初めての生き物の気配に若干高揚しつつ急いで再投入する。
う~む、釣れない。そう甘くはないか。
最初のポイントと違ってあまり流されない。どうやら流れの弱い場所らしいので再度移動する。
沖合いにカヤックやレンタルボートが集まっている場所がある。てことは魚がいるのでは?などと思いつつ我も並んで釣り始める。
タイラバを投入。ラインが斜めに入っていく。流れが早いようだ。40mで着底。底から10mの範囲を探っていく。
潮の流れと風向きが同じなのでどんどん流されていく。近くだったボート達からみるみる遠ざかる。何で自分だけ?他のボートはパラシュートアンカーを使っているのかもしれない。
流されつつタイラバの上げ下げを続けているとビビビっと明確なアタリ。慌てて合わせそうになるのを堪えて若干スローにしながら巻き続けるとぐぐっと引き込んだ。軽く合わせを入れて巻き上げる。
なんだろう?真鯛かな?でも少し軽いし海面近くになっても暴れているところをみると真鯛ではなさそう。
海面に見た姿は輝く銀色、タチウオだ。
記念すべきカヤック初の釣果。タイラバを外してクーラーに仕舞う。ありがとう。大事に食べるからね。
カヤックは狭く立ち上がることも出来ない。写真を撮るべきだったが慣れない中つい怠ってしまった。カメラとか手元の収納場所も検討する必要がある。
群れが去らないうちに次を狙わないと…などと思いつつ再投入するがアタリは無い。既に群れは去ったようだ。
時刻は9時を回り、仲間のH氏が来る時間になったので一度浜に戻る。合流して沖合い25mのポイントから再開。私はタイラバ、H氏はメタルジグで狙うがアタリは無い。

11時を過ぎると南西風が強くなり、どんどん沖合いに流される。周辺で操業していた遊漁船もタチウオが散ったのかあわただしく往来し始める。そろそろ潮時と引き揚げることにした。
南西風を押して必死にパドリング。浜に着くのに40分ほど要したろうか。聞いていたとおり風に弱いのはカヤックの弱点だ。
タチウオは釣れなかったH氏に譲り、近くの岩場ででシュノーケリングしてみた。夏場より水温は低いが、日焼けして熱を持った肌に心地よい。岩場にはベラをはじめ小魚が群れを成しており、思いのほか賑やかであった。カサゴを夢中で追いかけて岩に頭を強打してしまった。やれやれ。
カヤックの魅力は全て自分の判断で行えること。遊漁船ほど安定した釣果は望めないかも知れないが、それを補う魅力を感じている。
近いうちに魚探を使ってのカヤックフィッシングをやってみたいものだ。そんなことを想いながら東京湾を後にした。